縦隔腫瘍として発見された脊索腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Chordoma Detected as a Mediastinal Tumor

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抄録

<p>背景.脊索腫は,遺残した胎生期の脊索から発生すると考えられている稀な悪性骨軟部腫瘍である.仙骨部や頭蓋底部,可動脊椎に好発するが,縦隔腫瘍として傍椎体に発生することがある.症例.54歳,男性.健康診断の胸部単純X線写真で,右上肺野に異常陰影を指摘され,近医を受診.CT検査で上縦隔に45 mm大の縦隔腫瘍を認めた.手術目的に当科へ紹介され,良性の神経原性腫瘍として胸腔鏡下での腫瘍摘出術を施行.HE染色で粘液腫様組織を背景とし,空胞状の細胞質を持つ細胞の索状配列を認め,脊索腫の可能性を疑った.免疫組織化学染色でbrachyury陽性となり,傍椎体に発生した脊索腫と診断した.術後の追加治療はせず,現在も再発は認めていない.半年毎の定期検診を継続中である.結論.今回我々は,上縦隔に発生した脊索腫の1切除例を経験した.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 62 (4), 317-322, 2022-08-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (8)*注記

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