ADCPを用いた回遊性カジカ属稚魚の遡上時利用環境の評価

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タイトル別名
  • EVALUATION OF USAGE ENVIRONMENT FOR MIGRATORY JUVENILE OF AMPHIDROMOUS SCULPIN WITH ADCP MEASUREMENTS

抄録

<p>河川CIM の推進で整備が進むことが期待される3 次元点群データの活用を想定し,河川下流域を遡上していく回遊性魚類の利用環境を可視化・評価することを目的とした.本研究では,北海道函館湾に流入する大野川の,河口から約1.2km までの感潮区間を対象として,ADCP 計測から 5m メッシュの地形・流速に関する物理環境(河床高,傾斜度,底層流速,表層流速と底層流速の差)を整理した.この物理環境とカジカ属の遡上稚魚の位置情報を合わせて,Maxentによるモデリングで,ハビタットスケールの分布予測モデルを作成した.作成したモデルは,傾斜度と底層流速の寄与度が高く,変数の応答から緩流域と瀬の環境を表現し,カジカ属稚魚の遡上時利用環境をよく示していると考えられた.利用環境を可視化したポテンシャルマップからは,利用環境の連続性が十分保たれていると評価された.従来可視化が困難であった回遊魚の利用環境について,ADCP 計測のみによる水深・流速等のデータと簡易な生物調査を組み合わせることにより,個別箇所の施工時の評価に必要な詳細スケールで面的な連続性を把握することが可能となった.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293268649366528
  • DOI
    10.11532/river.28.0_175
  • ISSN
    24366714
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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