低温調理における低温性芽胞菌の死滅率と圧力発芽誘導による殺菌方法

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Lethality of psychrophilic bacterial spores on low temperature cooking and inactivation way of their spores by pressure-germination

抄録

<p>【目的】低温性芽胞菌は,低温調理では生残し4~10°Cの冷蔵条件でも発育することが知られている。そのため,低温調理によって調理された要冷蔵食品は賞味期限が比較的短い。発表者らは低温調理における芽胞の死滅率を明らかにするとともに,静水圧による発芽誘導を適用して芽胞の殺菌効果を検討した。</p><p>【方法】低温性芽胞菌(Bacillus cereusPaenibacillus polymyxaおよびP. chibensis)を実験に供した。50~95°Cの温度範囲で生残曲線を作成し,D値およびZ値を求めた。50,60および70°Cで1時間と24時間の低温調理後の初発芽胞数(N0)と処理後芽胞数(N)を求め,理論的な死滅率[Log(N0/N)]を求めた。次に液体培地とミンチ肉における芽胞数の減少から実際の死滅率を求めた。静水圧による発芽誘導を利用した芽胞の殺菌は,二つの方法で行った。芽胞の発芽誘導(60MPa・40°C・1 h)後,60°Cで1 hの低温調理による死滅率を求めた(A法)。発芽誘導と低温調理(60MPa・60°C・1 h)を同時に行ったときの死滅率を求めた(B法)。</p><p>【結果・考察】理論的な殺菌効果は,70°C・24 h加熱で1オーダー程度の減少であったが,60および50°Cでは1オーダー以下となった。モデル食品で測定した殺菌効果は,70°C・1 hおよび24 h処理で1~2オーダーの減少であったが,60および50°Cでは1オーダー以下の減少であった。静水圧による発芽誘導を利用すると,60°C・1時間の低温調理において,A法では,5オーダー(液体培地)、3~4オーダー(ミンチ肉)の芽胞の減少であった。B法では、3~4オーダー(液体培地)、2~3オーダー(ミンチ肉)の芽胞の減少であった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293279512444288
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_59
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ