アティシャが説くthun mong baとthun mong ma yin paの概念について――アティシャが説いた修行次第の一端――

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タイトル別名
  • Atiśa’s Explanation of <i>thun mong ba </i>and <i>thun mong ma yin pa:</i>One Aspect of Atiśa’s Theory on the Gradual Path
  • Atisa's Explanation of thun mong ba and thun mong ma yin pa : One Aspect of Atisa's Theory on the Gradual Path

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抄録

<p> チベット語 thun mong ba / thun mong ma yin paは一般にサンスクリット語sādhārana / asādhāranaの訳語とされ,現代語では「共通」と「非共通」などと訳される.アティシャ(Atiśa, 982-1054)は複数の著作でこれら二つの用語を頻繁に使うが,その際にいかなる基準を設けて両者を分けているかについて説明しておらず,まるで一種の術語のように使っている.そこで本稿ではアティシャの著作『見修広説』(Lta sgom chen mo)と『根本過犯広疏』(Mūlāpattiṭīka)に現れる二語の用例を分析してそれらの意味を明らかにし,アティシャが二語を用いて説いた修行次第の一端の究明を目指す.</p><p> 結論として,まず,アティシャはこの二語により修行次第の段階を峻別している点を確認する.その上で,アティシャの修行次第の特徴として,波羅蜜乗よりは真言乗に,真言乗の中でも破戒を伴う儀礼と修行に優れた結果を配置することで至高の価値を与えるという意図を明らかにする.</p>

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