肝障害時における胆管増生と血管新生の3次元的構造解析

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タイトル別名
  • Three-dimensional structural analysis of ductular reaction and angiogenesis after liver injury
  • カン ショウガイジ ニ オケル タンカン ゾウセイ ト ケッカン シンセイ ノ 3ジゲンテキ コウゾウ カイセキ

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抄録

肝障害組織では,肝細胞が失われた肝小葉内に細胆管と呼ばれる幼若な胆管構造が出現し,この細胆管は肝組織修復過程で胆汁ドレナージ機能という重要な意義を持つ.発生学的に,胆管は先立つ門脈の形成に伴い構築されることから,細胆管と血管新生は密接に関連していると推察されるが障害肝における両者の3次元的な位置関係は明らかとなっていない.本研究では,臓器透明化手法を用いて,肝内胆管と血管の3次元的な構造解析を行った.結果,細胆管増生を誘導したマウス障害肝の解析では,胆管増生に伴い門脈系の血管新生が生じていた.また,細胆管増生誘導時にVEGFR-2抗体により血管新生を抑制したマウス障害肝の解析では,血管新生と同時に胆管増生も抑制された.今回の結果,肝障害時には門脈周囲の血管は,胆管構造の変化と同時的に構造変化を示すことが明らかとなった.また,病的肝臓における細胆管と血管新生の両者に細胞間相互作用が存在する可能性が示唆された.

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