教育相談におけるプレイセラピーと遊ぶこと

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タイトル別名
  • Playtherapy and Playing in Educational Consultation
  • キョウイク ソウダン ニ オケル プレイセラピー ト アソブ コト

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抄録

日本において戦後から徐々に広がり浸透していった教育相談でのプレイセラピーの実践が,ある特定の心理療法の理論に基づいたプレイセラピーを踏襲したものではないことから,教育相談におけるプレイセラピーでは,心理療法の理論に基づいた実践において前提とされるプレイセラピーの設定の,特に部屋や玩具といった物理的な点において,設えることが可能であり,時に心理療法の理論に基づく方法では不適切とされる玩具などを用いることがある。しかし,そこにおいて展開するプレイセラピーは,意義のあるものであると考えられ,道具立ては二義的であり,遊ぶことこそがセラピーを機能させているといえる。そこで,本稿では,プレイセラピーの本質であるとみなしうる「遊ぶこと」とは何であるかについて検討した。プレイセラピーにおいて遊びはセラピーの道具であるとみなされている反面,遊ぶこと自体がセラピーの目的とされることから,遊び・遊ぶことについて論じ,ウィニコットの遊ぶことplaying, ダゴールの詩,遊という文字の起源についてさかのぼって考察した。語源から遊ぶことは死者と関わることであることが示され,遊ぶことのこの性質は,プレイセラピーの基盤を成していると可能性が示された。

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