静岡県熱海市伊豆山地区の土砂災害現場の盛土の崩壊斜面と土石流堆積物から見つかった海生二枚貝の貝殻

  • 北村 晃寿
    静岡大学理学部地球科学教室,静岡大学防災総合センター

書誌事項

タイトル別名
  • Marine bivalve shells found on a collapsed slope of embankment and debris flow deposits in the Izusan area of Atami City, Shizuoka Prefecture
  • シズオカケン アタミシ イズ サンチク ノ ドシャ サイガイ ゲンバ ノ モリツチ ノ ホウカイ シャメン ト ドセキリュウ タイセキブツ カラ ミツカッタ カイセイ ニマイガイ ノ カイガラ

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抄録

<p>2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川沿いで土石流が発生し,大量の土砂が相模湾まで流下した.その後の調査で,逢初川の源頭部にあった盛土のうちの約55,500 m3が崩落し,流下したことが分かった.この源頭部の崩壊していない盛土の黒色土砂から4個体の海生二枚貝の貝殻を採取し,さらに集落の直ぐ上流の土石流堆積物から5個体の海生二枚貝の貝殻を採取した.これらは,マガキ属,アサリ,サルボウガイなどの宮城県以南,四国,九州の潮間帯下部~水深10 mに生息する種である.14C年代測定の結果,5,851~5,568 cal yr BC, 477~154 cal yr BC, 西暦1,700年以降の3つに分けられることが判明した.これらのことから,盛土の黒色土砂の供給源の一部は沿岸堆積物であり,現世堆積物と中部完新統の2つの供給源がある可能性があることが分かった.</p>

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 61 (3), 109-117, 2022

    日本第四紀学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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