身体と情報学

  • 稲見 昌彦
    日本学術会議 東京大学 東京大学先端科学技術研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Towards Seamless Interaction Between Information and Somatics

抄録

<p> 「身体」を情報学の観点から理解する研究分野が「身体情報学」であり、情報学として身体性を理解することで新しい価値を設計することを目指している。身体は、これまで物理空間に存在するものだった。物理空間でうまく動けるように身体は発達し、身体によって生活空間が作られてきた。しかし、今後のサイバーフィジカル社会では従来と異なる「身体」が必要なると考えられる。その新しい身体のひとつの形が「自在化身体」である。自在化身体には5つの新しい身体が包含されている。情報革命により「脱身体の時代」を迎えているが、行き過ぎた脱身体の次は「ポスト身体の時代」が到来する。自在化身体を用いて、身体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する時代である。新しい身体を生かした身体のDXを研究していく中で、人間の能力の本質が環境や他者との相互作用にあり、環境から能力を制御できることが明らかになってきた。</p>

収録刊行物

  • 学術の動向

    学術の動向 27 (5), 5_74-5_76, 2022-05-01

    公益財団法人 日本学術協力財団

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