血流制限トレーニングにおける血流制限度合いの違いがトレーニング効果に及ぼす影響
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- KURITA KOJI
- Physical Conditioning Production
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- 武村 政徳
- 市橋クリニック
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- 賀屋 光春
- Hyogo University of Health Sciences
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- 辻田 純三
- 健康スポーツ医科学研究所
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- 加藤 雄一郎
- Heisei International University
Description
【トレーニング現場へのアイデア】低負荷を用いる血流制限トレーニングは、関節疾患の リコンディショニングやサルコペニア対策として有効なトレーニングであるが、血流制限 の度合いを高めることでトレーニング効果が高まる。対象者の動脈閉塞圧を基準として相 対的に定量化された血流制限度合いは、個人に応じた血流制限トレーニングを実施する上 で有効なプログラム変数になりえる。 【目的】血流制限トレーニングにおける血流制限度合いの違いがトレーニング効果にもた らす影響を明らかにする。【方法】対象は健康な成人男女21 名で、20%1RM のレッグエク ステンション運動を用いて、大腿部への3 段階の血流制限度合いでグループを分類し効果 を比較した。大腿基部をカフで圧迫し、各被験者の動脈閉塞に至った圧を基準とした相対 的な血流制限度合いで0%制限群、50%制限群、80%制限群の3 グループを設定した。反 復回数は合計60 回(第1 セット30 回、第2、3 セット各15 回)とし、週3 回×4 週間実 施した。介入前後の筋力の評価として1RM、筋肥大の評価として筋骨断面積を比較した。 また7 名を対象に3 つの血流制限条件の膝伸展筋群の活動状態をみるために筋電図解析に よる相対的随意最大筋力(%MVC)を測定した。血流制限条件と介入前後の各測定結果の 関係は2 要因分散分析を用いて解析し、交互作用がみられた項目はRyan の多重比較検定 を用いて比較した(α=5%)。また各群や条件の効果の大きさの比較のために効果量を算 出し、Cohen`s-d の基準を用いて評価した。【結果】1RM は血流制限度合いと介入前後に 交互作用がみられ(F(2,18)=20.2,p>0.01)、0%制限群に有意な変化はなく、50%制限群 および80%制限群に有意な増加がみられた(いずれも p<0.01)。各群の介入前後の効果量 を比較したところ、血流制限度合いに応じて効果が高かった(0%制限群d=0.02,;50% 制限群d=0.44;80%制限群d=0.61)。筋骨断面積にも交互作用がみられ (F(2,28)=22.9,p<0.01)、0%制限群に有意差はなく、50%および80%制限群に有意差が みられ(いずれもp<0.01)、効果量の比較では、血流制限度合いに応じて効果が高くなる ことが示された(0%制限群d=0.01;50%制限群d=0.28;80%制限群d=0.44)。トレ ーニング中の平均%MVC も0%制限群を基準とした効果量の比較では、血流制限の度合い に応じて高くなった (50%制限群d=0.51;80%制限群d=0.81)。【考察】本研究からレジス タンストレーニングとして効果が生じにくい低負荷トレーニングにおいても血流制限を併 用することで運動中の筋活動レベルが増大し、トレーニング効果が得られること、および 血流制限の度合いを高めることでその効果はさらに増大することが示された。
Journal
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- Conference Proceedings of Japan Society of Scientific Coaching forTraining
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Conference Proceedings of Japan Society of Scientific Coaching forTraining 2021 (0), P10-, 2021
Japan Society of Scientific Coaching for Training
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390293511719270400
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- ISSN
- 24343323
- 24337773
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
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- Abstract License Flag
- Disallowed