大学の水泳授業の全国的実態と授業実施の問題点に関する調査

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タイトル別名
  • A nation-wide survey to identify the learning contents and actual teaching in university swimming classes

抄録

<p>水泳は,小学校から大学までの体育の授業で広く活用されている.小学校から高校にかけての学校体育の水泳の授業は指導要領に沿って行われているが,大学の水泳の授業では学習内容に規定はない.そのため,大学の水泳授業は各大学の教育理念に沿った独自の水泳授業が行われており,全国の大学でどのような水泳授業が行われているのかは不明である.加えて,大学水泳授業を実施するにあたっての問題点は明らかにされていない.本研究では,大学の水泳授業の現状把握し,担当教員が経験してきた問題点を洗い出すことで,大学の水泳授業の改善を目指すことを目的とした.データ収集は,オンラインシラバス調査とオンラインアンケート調査によって行った.その結果,分析した全大学(780校中244校)の31.3%が水泳授業を実施しており,そのうち約8割が教職やコーチングの学位を目指す学生のための専門課程の一環の授業として実施されていることが明らかとなった.大学の水泳の授業の標準的な学習内容は,4泳法の泳法習得である.専門課程の授業では,4泳法の指導方法と水中安全の技術についての学習を実施する授業が多く,教養課程の授業では,水球,シュノーケル,アクアビクスなどの学習を実施する授業が多かった.大学によって授業の内容や施設は異なるが,回答者からの授業の問題に関する指摘で最も多かったのは,大学所有の屋内プールがないため,天候や水温の影響で予定通りに授業ができないなどのプール環境についてであった.さらに,授業内容についての問題も多く確認され,時間数が足りない,学生数が多い,習熟度にばらつきがあるなどの問題点が指摘された.得られた大学水泳授業の実態を踏まえ,これらの問題に対処することで充実した大学の水泳授業の展開が期待される.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293568073507584
  • DOI
    10.20723/jpeshe.18.0_152
  • ISSN
    24347957
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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