出血性ショックを伴った巨大十二指腸潰瘍の1 救命例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of a Huge Duodenal Ulcer with Hemorrhagic Shock Whose Life Could Be Saved
  • シュッケツセイ ショック オ トモナッタ キョダイ ジュウニシチョウ カイヨウ ノ 1 キュウメイレイ

この論文をさがす

抄録

<p>症例は72 歳,男性,吐血を主訴に搬送された。上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部後壁に持続的出血を伴う潰瘍を認めたが,止血困難と判断し検査を終了した。直後に心室細動となり蘇生し救命した。その後緊急手術を行った。開腹後胃前庭部で胃を離断,前庭部から十二指腸球部前壁に横切開を加えると球部後壁に拍動性出血と巨大潰瘍を認めた。止血困難のため潰瘍底をくり抜き切除範囲を十二指腸球部として自動縫合器を用いて離断して胃切除を行った。潰瘍底の露出血管の縫合止血,粘膜焼灼後に十二指腸断端にLemmbert 縫合を追加,器械吻合によるBillrothⅡ法再建を行った。術後はとくに大きな合併症もなく経過し,術後21 日目に治癒退院となった。止血困難な出血性巨大十二指腸潰瘍に対し,潰瘍底をくり抜く胃切除,残存潰瘍底の縫合止血,粘膜焼灼を行う方法は全身状態の悪い症例では低侵襲であり有用であると考えた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ