闘牛の牛角による胸部杙創・肺損傷の1例

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タイトル別名
  • A Case of Chest Impalement Injury and Lung Injury Caused by the Horn of a Bull
  • トウギュウ ノ ゴカク ニ ヨル キョウブヨクソウ ・ ハイ ソンショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>杙創(impalement injury)とは,鋭的外傷のうち刃物以外の比較的鈍的な構造物が刺入した開放性損傷であり,比較的まれな外傷である.牛角による開放性損傷は杙創にあたると考えられる.闘牛の牛角による胸部杙創および肺損傷に対して手術を施行した1例を経験したので報告する.症例は41歳,男性.重量約1,000kgの闘牛の牛角で約3mの高さに跳ね上げられ,右前胸部・右大腿部に杙創を負い,当院へ救急搬送された.右胸部杙創による右外傷性血気胸・肺損傷に対して,緊急手術を施行した.胸腔鏡で第3肋骨の遊離した骨片が右肺上葉に刺入しているのを確認した.第3肋骨の直上に約4cmの皮膚切開を置き,遊離骨片を除去した.肺損傷部を縫合閉鎖し修復した.術後経過は良好で,術後11日目に独歩で退院した.牛角による胸部杙創という,まれな受傷機転による胸部外傷に対し手術を行った.文献的考察を加え報告する.</p>

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参考文献 (5)*注記

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