近代エジプトにおける国家と宗教の関係の変容
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- 佐藤 友紀
- 東京大学大学院
書誌事項
- タイトル別名
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- Changes in the Relationship between State and Religion in Modern Egypt
- An Analysis of the Parliamentary Debate on the Qualifications of the “Grand ‘Ālim Parliamentarian”
- 「大アーリム議員」の資格問題をめぐる国会審議の分析から
抄録
<p>アーリムとは、イスラーム諸学を修めた知識人を指すが、国王は、ある者を恣意的に「大アーリム」とみなして、一九二四年以降に稼働した国会の上院議員に任命することができた。それゆえに、その者が本当に「大アーリム議員」かをめぐる資格争訟が国会において発生しえた。本稿では、「大アーリム議員」の資格問題をめぐって一九二七年に国会で展開された論争を分析する。まずは、近代エジプト議会の役割の変遷を概観し、国家と宗教をめぐる研究において議会内の政治主体の諸議論に着目する意義を指摘する。その上で、上述した論争の分析を通じて、一九二三年憲法制定時の曖昧なままにされたと評価されてきた近代エジプトの国家と宗教の関係が、実際は、国会の諸議論の過程で、大アーリムの厳密な定義化などにより、国王の権力を調整する形で具体化されていたことを明らかにした。</p>
収録刊行物
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- 宗教研究
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宗教研究 96 (1), 51-75, 2022-06-30
日本宗教学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390293589392527488
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- ISSN
- 21883858
- 03873293
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可