ドライヤーフードとエアシステムによる省エネおよび排熱回収の実施例

書誌事項

タイトル別名
  • Installation Reference of Energy Saving & Recovery by Dryer Hood and Air System

抄録

今古くから「紙は水と空気でつくられる」といわれる。マシンの操業上,計測と管理のしやすい「水」に比べ,ドライヤーフードに接続されているダクト内を流れる高速で大量の「空気」を計測し把握するには技術が必要である。<br>抄紙機のドライパートは生産条件によってドレネージの蒸気を調整する。しかし,フードの給気システムと排気システムは一度設定すると,生産条件が変わっても設定は変更せずに操業が続けられることがある。<br>また,フードの劣化による結露損紙,給気ヒーターからの蒸気漏洩,ドライヤーポケット換気不良による乾燥能力低下,排気熱回収設備の劣化による排熱回収の低下など抄紙エネルギー消費に直接関わることが改善されないことが多い。<br>弊社はカナダ・モントリオール市にあるドライヤーフード,エアシステム,排熱回収,マシンルーム換気を専業として40年の実績をもつエナクイン社と技術提携し,ドライパートの最適化と省エネルギーに取組んでいる。本稿はエナクイン社が実施したフード更新による省エネ,ポケットベンチレーターによる乾燥効率の改善,フード排気からの熱回収増加の実績で,カーボンニュートラルに貢献した例をご紹介する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 76 (9), 810-814, 2022

    紙パルプ技術協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ