高崎山に生息するサルのストレス行動の要因

DOI
  • 岩永 航
    大分県立大分舞鶴高等学校・科学部生物班
  • 池田 太陽
    大分県立大分舞鶴高等学校・科学部生物班
  • 岩屋 円
    大分県立大分舞鶴高等学校・科学部生物班
  • 大津 華奈
    大分県立大分舞鶴高等学校・科学部生物班
  • 斎藤 智亜
    大分県立大分舞鶴高等学校・科学部生物班
  • 鈴木 麻希
    大分県立大分舞鶴高等学校・科学部生物班

書誌事項

タイトル別名
  • Factors of stress behavior in Takasakiyama monkeys

抄録

<p>高崎山に生息するニホンザルは、餌付けの影響でヒトに警戒しなくなったとされている。しかし、私たちの観察によると、警戒はしないが、ヒトが近づくことでストレス行動を行っている様子が確認できた。本研究では、この点に着目し、高崎山におけるサルのストレス要因とヒトが与えるストレスを、スクラッチとセルフグルーミングをストレス指標として検討した。調査は、令和4年5月~8月にかけて高崎山のサル寄せ場で、ニホンザルB群の個体に対し、追跡調査及び干渉調査を行った。調査1は、サルと調査員の距離を約30分の間、1mと5mで維持してサルを追跡し、観察した。その結果、1mで追跡した場合に頻繁にスクラッチが確認され、5mで追跡した場合はスクラッチがあまり確認されなかった。調査2は、観光客の行動を調査員が疑似的に真似たときのサルの行動を観察した。その結果、対象のサルの視界内で干渉した時にストレス行動を多く行っていた。調査3は、5m以上離れた距離から調査員が干渉してない状態のサルを観察し、サルがストレス行動を行う前後5分の周囲のサルと観光客の状態を調査した。その結果、周囲にサルの個体数が増えたときや、グルーミングの交代時にストレス行動を行う個体が多く観察された。以上の結果から、高崎山のサルは調査員が長時間、近距離で干渉した場合やサルの視界内で干渉した場合にストレスを感じると考察した。また、高崎山のサルは、周囲の個体数の増加によってストレスを感じると考えられた。今後は、高崎山のサルのストレス要因をより明らかにしながら、個体による違いや他地域のニホンザルとの比較を行っていきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293666570334848
  • DOI
    10.14907/primate.38.0_88
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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