高浜虚子の三作品からみる方言意識 : 京都・奈良・大阪の差異について

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タイトル別名
  • Consideration of the Use of Dialects in Takahama Kyoshi’s Novels : The Difference between Kyoto anda Nara and Osaka
  • タカハマ キョシ ノ サンサクヒン カラ ミル ホウゲン イシキ キョウト ナラ オオサカ ノ サイ ニツイテ

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抄録

本稿は、高浜虚子の三作品「風流懺法」「斑鳩物語」「大内旅宿」にみられる京都府方言・奈良県方言・大阪府方言の特徴を確認し、虛子の各方言に対する意識を考察するものである。それぞれの方言が特徴的に用いられているのは、尊敬語表現・文末表現・接尾辞であった。尊敬語表現の助動詞では、京都府方言は「お~やす」が、大阪府方言は「やはる」が特徴であり、奈良県方言は両方言の特徴を併せ持っていた。また、「なはる」は京都府方言としては避けられる傾向にあり、大阪府方言としては命令表現で使われていることがわかった。文末表現では、京都府方言は「え」「おす」「どす」が、奈良県方言では「なー」「おます」「だす」が、大阪府方言では「おます」「だす」が特徴であった。一方で、「です」のように共通語と同じ語形は避けられていることが予想された。接尾辞では、大阪府方言の特徴として「どん」が使われていた。

収録刊行物

  • 研究論集

    研究論集 116 87-104, 2022-09

    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部

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