「障害とは何か」という問いを問う――障害者にとっての「有用性」に基づく障害定義の戦略的・実践的使用は可能か――

  • 牧田 俊樹
    北星学園大学社会福祉学研究科(博士後期課程)

書誌事項

タイトル別名
  • Asking the Question, “What Is Disability?”: Is It Possible to Use Disability Definitions Strategically and Practically Based on Their “Usefulness” to Disabled People?
  • 「 ショウガイ トワ ナニ カ 」 ト イウ トイ オ トウ : ショウガイシャ ニ トッテ ノ 「 ユウヨウセイ 」 ニ モトズク ショウガイ テイギ ノ センリャクテキ ・ ジッセンテキ シヨウ ワ カノウ カ

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抄録

<p>「障害とは何か」という問いがある.しかし,その問いに一義的に答えることはできない.これを前提とし,本稿は,障害者の苦悩・苦痛の軽減・除去等の目的に役立つという意味での「有用性」の観点から,障害定義が,個別の事例で,目的に合わせ,例えそれが矛盾したとしても,複数選択するという,「障害定義の戦略的・実践的使用」が可能なのではないかと考える.そこで,本稿の目的は,この「障害定義の戦略的・実践的使用」の可能性を,予想されるさまざまな批判に応答しながら,議論の俎上に載せることである.結果,「障害定義の戦略的・実践的使用」を,議論の俎上に載せるということを文字通り解釈するならば,本稿の目的は達成されたと考える.そのうえで,「障害定義の戦略的・実践的使用」は,障害に関する事例ごとに目的が異なる以上,その達成のためには,大きな利点を有することを示唆することができた.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 63 (2), 14-27, 2022-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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