過敏性肺炎をめぐる最近の話題:治療について

  • 冨岡 洋海
    神戸市立医療センター西市民病院 呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Recent topics on the treatment of hypersensitivity pneumonitis
  • カビンセイ ハイエン オ メグル サイキン ノ ワダイ : チリョウ ニ ツイテ

この論文をさがす

抄録

<p> 過敏性肺炎(HP)はびまん性肺疾患の中でも重要な疾患の1つであり,特に線維性(慢性)HPは,特発性肺線維症(IPF)との鑑別も難しく,またその予後も不良である.2020年ATS/JRS/ALAT,さらに2021年ACCPから診断ガイドラインが発表されたが,治療に関してはいまだ確立された指針はない.HPの治療の基本はあくまで抗原回避であるが,完全な抗原回避ができない場合や,原因抗原が特定できない場合も多い.薬物治療に関しては,線維性HPではステロイド治療の限界が報告されている一方,線維化が進行していない段階でのその有効性も示唆されている.ミコフェノール酸モフェチルやアザチオプリン,リツキシマブなどのステロイド以外の抗炎症・免疫抑制治療も試みられており,また,INBUILD試験による抗線維化薬の導入は,抗炎症治療と抗線維化治療の位置付けに大きなインパクトを与えている.</p>

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ