JICA海外協力隊隊員へのアンケート調査からみた開発途上国の臨床検査の状況と課題―開発途上国における臨床検査領域の技術支援を考える―

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical laboratory status and issues in developing countries determined on the basis of Japan Overseas Cooperation Volunteer surveys: Technical support in clinical laboratory in developing countries
  • JICA カイガイ キョウリョクタイ タイイン エ ノ アンケート チョウサ カラ ミタ カイハツ トジョウコク ノ リンショウ ケンサ ノ ジョウキョウ ト カダイ : カイハツ トジョウコク ニ オケル リンショウ ケンサ リョウイキ ノ ギジュツ シエン オ カンガエル

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抄録

<p>JICA(Japan International Cooperation Agency)海外協力隊(以下,海外協力隊)には多くの臨床検査技師が開発途上国の臨床検査の発展に寄与すべく派遣されている。派遣された臨床検査技師の多くは開発途上国の臨床検査の発展に尽力するだけでなく,日本では学ぶことのない様々な経験をすることになる。しかし,各方面からの評価が高いと思われる海外協力隊であるが,隊員は政治・宗教・文化などの違い,さらに開発途上国特有の事情もあり,派遣目的に沿った成果を上げることが難しいことも現実である。そこで派遣経験者を対象として開発途上国の臨床検査の状況,課題等について調査を行った。結果は開発途上国の臨床検査技師の検体検査を主とする職務領域のものであった。ほとんどの国で日本を含む他国から機材の提供を受けていたが,提供後の継続的な試薬の購入,メンテナンス体制の構築,故障時の対応等について課題が認められた。JICAや日本臨床衛生検査技師会(以下,日臨技)への要望としては「日本での研修の機会」,「海外で活動できる日本の臨床検査技師の育成」,「外国語対応の臨床検査に関するテキストの提供」等が挙げられ知識や技術を共有する必要性が示唆された。今回の調査から,日本は開発途上国に「モノ・カネ」だけを提供するのではなく,そこに「ヒト」が継続的に知識や技術を共有していくことが重要であることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (4), 704-711, 2022-10-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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