SEP船を用いた新しい地盤調査法―CPTと海底逆PS検層の統合調査―

書誌事項

タイトル別名
  • New offshore geotechnical investigation method using Self Elevating Platform -Integrated survey of CPT and offshore reverse PS logging-

抄録

<p> 洋上風力事業では,地盤定数の測定法として仮設が容易で迅速な調査が可能な洋上CPTをSEP船等を用いて実施されるケースがある。ただし,日本近海の海底地盤では多くの場合CPTで必要深度まで押し込み続けることはできず,例えばパーカッションドリル掘削のように高速な掘削方法で所定深度まで掘り進めてはCPTを繰り返すという方法が一般的である。</p><p> また,日本における海底地盤調査においては,工学的基盤層(Vs≧400 m/s)の把握が重要なポイントとなっている。一般的にS波速度の取得は,ボーリング孔を利用したサスペンションPS検層(以下susPS検層と称す)で行われることが多いが,掘削径や孔壁の仕上がり状況の影響を受けるなどの問題も指摘されている。本論文では,洋上ボーリングで標準貫入試験(SPT)実施時の振動,ならびに洋上CPTで用いるパーカッションドリル掘削時の振動を用いた新たなPS検層法の結果を示す。このPS検層は陸上で実施するダウンホールPS検層の逆(起振と受振が逆)であることから海底逆PS検層と名付けた。海底逆PS検層をsusPS検層と同一孔あるいは直近の孔で実施してS波速度を比較した結果,海底逆PS検層においてもsusPS検層と同様な結果が得られることが分かった。本手法は,孔中に測定用ゾンデを挿入する必要がなく,susPS検層で対応が難しい崩壊のある孔や大孔径(通常susPS検層の適応孔径はおおよそ200 mm以下とされている)において有効である。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 75 (0), sp30-sp41, 2022

    社団法人 物理探査学会

参考文献 (2)*注記

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