24年の臨床経過で悪性化が示唆された胃異所性膵の1例

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タイトル別名
  • Gastric Heterotopic Pancreas with Apparent Malignant Transformation after 24 Years' Clinical Surveillance
  • 24ネン ノ リンショウ ケイカ デ アクセイカ ガ シサ サレタ イイショセイスイ ノ 1レイ

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抄録

<p>24年の臨床経過で悪性化が示唆された胃異所性膵の1例を経験したので報告する.症例は66歳,男性.1997年から胃前庭部に粘膜下腫瘍を指摘され,大きさ・形態に変化がみられなかったため,経過観察となっていた.2021年3月の定期健診の上部消化管内視鏡検査にて腫瘍の増大傾向を認めたため,精査目的に超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を施行し,腺癌と診断した.腹部造影CTでは胃前庭部粘膜下に大きさ25×19mmの腫瘤を認め,PET-CTでは同部位にのみ異常集積がみられた.血液検査ではCA19-9 64U/mLと高値であった.CEA,DUPAN-2,SPAN-1は正常値であった.超音波内視鏡所見に加え,PET-CTにて他に悪性腫瘍の存在を示唆する所見がないことから,胃異所性膵の悪性化を強く疑い開腹幽門側胃切除術D2郭清を行った.術後病理結果は異所性膵由来の腺癌(膵癌取扱い規約第7版pT2N0M0 stage I b)であった.術後は経過良好で第11病日に退院し,術後補助化学療法としてS-1療法を行った.術後6カ月時点で再発なく経過している.</p>

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参考文献 (24)*注記

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