MSUの日本への導入と運用における問題点と展望

  • 廣木 昌彦
    財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院脳神経内科
  • 河野 元嗣
    財団法人筑波メディカルセンター筑波メディカルセンター病院救急診療科
  • 三澤 雅樹
    国立開発法人産業技術総合研究所健康医工学研究部門人工臓器研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Current problems and future prospects for Japan’s Mobile Stroke Units
  • MSU ノ ニホン エ ノ ドウニュウ ト ウンヨウ ニ オケル モンダイテン ト テンボウ

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抄録

<p>Mobile stroke unit(MSU)は頭部コンピュータ断層撮影(CT)装置と遠隔通信装置を備えたドクターカーで,現在欧米を中心に運用されている。MSUにより,救急要請現場または救急車との合流点で,脳卒中の診断と治療が行われ,適切な搬送先が決定される。MSUは地域の病院前救護体制に応じて必要とされる。MSUによる脳梗塞患者への組織プラスミノゲン活性化因子治療は,通常救急搬送と比較したドイツと米国の多施設前向き試験により,予後改善効果が有意に高いことが2021年に報告された。しかし日本ではMSUに搭載可能なCT装置は現在まで未承認であり,MSU導入の大きな障壁となっている。米国では高い運用コストに加えて診療報酬が未確定であることで,MSU運用の財政的な危機に陥っている。本論文では,MSUの必要性,導入と運用の実際および日本導入に向けた課題と展望をまとめた。</p>

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