気道上皮におけるSARS-CoV-2感染での超微細構造の重要性

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抄録

“新型コロナウイルス”として2019年後半より世界中で猛威を振るうSARS-CoV-2の侵入および出芽の機構を明らかにすることは,治療薬の開発などにおいて重要である.SARS-CoV-2は,呼吸器上皮に発現するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)やセリンプロテアーゼであるTMPRSS2といった膜タンパク質を介して細胞内に侵入することが知られている.SARS-CoV-2は,ACE2に結合すると,TMPRSS2によってそのスパイク糖タンパク質(S糖タンパク質)のS2領域で切断され,呼吸器上皮細胞に融合することで侵入する.本トピックでは,SARS-CoV-2に感染した呼吸器上皮細胞の超微細構造について,SARS-CoV-2の気道上皮への付着と侵入,出芽のステップについて電子顕微鏡によって詳細な解析がなされた事例について紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Walls A. C. et al., Cell, 181, 281–292.e6(2020).<br>2) Pinto A. L. et al. Nat. Commun., 13, 1609(2022).<br>3) Lee I. T. et al., Nat. Commun., 11, 5453(2020).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 58 (11), 1081-1081, 2022

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293943122922624
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.58.11_1081
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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