健康の社会的決定要因に対するアプローチ
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- 堤 明純
- 北里大学医学部公衆衛生学単位
書誌事項
- タイトル別名
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- Approach to Social Determinants of Health
抄録
<p>政治的な選択(制度)や,所属している集団の文化や規範によって影響を受ける社会的な構造(収入,教育,職業など)が,健康の格差を生む最大の要因として注目されており,健康の社会的決定要因と呼ばれる.個人の力では対応しきれない「原因の原因」と健康障害が発生するメカニズムは,bio-psycho-socialモデルに基づいて,その科学的検証と対策が図られており,現代における,社会医学の最大の課題の1つである.医学的な管理や心理学的な介入のみでは解決に至らないため,患者の生活を支えるための資源へのアプローチを容易にする介入―社会的処方―が注目されている.一方で,健康格差の評価は,その後のアプローチの有無いかんで,患者に有害な影響があり,倫理的な問題もはらむ.臨床場面では,健康の社会的決定要因を評価し,その患者の課題解決のための資源をノン・ヘルスセクターにも広げて患者のケアにあたることが実践され始めている.</p>
収録刊行物
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- 心身医学
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心身医学 62 (6), 466-470, 2022
一般社団法人 日本心身医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390293943123126272
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- ISSN
- 21895996
- 03850307
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可