電気化学環境場における強結合現象の設計・制御・応用

書誌事項

タイトル別名
  • Design, control, and application of strong coupling states for aqueous electrochemical environments
  • デンキ カガク カンキョウジョウ ニ オケル キョウ ケツゴウ ゲンショウ ノ セッケイ ・ セイギョ ・ オウヨウ

この論文をさがす

抄録

<p>分子の有するエネルギーと共振可能な場には量子零点ゆらぎに由来した真空場が存在する.光が入射されていない暗条件においても分子が共振器を介して協同的な相互作用が生じる.このような真空場‐分子のエネルギー混成状態であるポラリトン状態を利用することによって,化学反応ダイナミクスが制御可能となることが提案されつつある.特に結合強度の大きな強結合状態においては,単純な重ね合わせでは記述できない物性が発現することが期待される.本稿においては,光学モードと物質の電子・振動分極の組み合わせにて実現される物性変調に関して紹介する.具体的には,プラズモニック金属ナノ構造を利用した光励起モードの制御および物質の電子励起分極と局在表面プラズモンの強結合状態形成について紹介する.また,共振器を用いた振動強結合状態形成と化学反応性制御の例を踏まえ,振動ポラリトン状態の結合強度制御,さらには振動超強結合状態を利用した水の物性制御として,イオン伝導特性の向上および誘電率の制御に関して解説し,電気化学機能特性向上に向けた我々の試みを紹介したい.</p>

収録刊行物

  • 応用物理

    応用物理 91 (11), 675-678, 2022-11-01

    公益社団法人 応用物理学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ