メニエール病の病態・診断・治療 Update 中耳加圧療法

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抄録

<p> メニエール病の治療はめまい発作期と間欠期治療に分けられる. 発作予防を目的とする間欠期の治療では, 従来, 保存的治療, 外科的・前庭機能破壊的治療 (内リンパ嚢開放術, 内耳中毒物質鼓室内注入法, 前庭神経切断術) が行われてきた. 近年, メニエール病の治療選択として保存的治療と外科的前庭破壊的治療の間に中耳加圧療法を入れた段階的治療法が報告されている. わが国では, 2018年に中耳加圧装置による中耳加圧療法が保険収載された. 今回, 富山大学附属病院先端めまいセンターを受診し, 保存的治療に抵抗してめまい発作を繰り返すメニエール病確定診断例・確実例, 遅発性内リンパ水腫確実例(難治例)44例において中耳加圧装置適正使用指針で示された治療開始12カ月で治療効果を判定した. 軽度改善以上は90%を超え, 月間めまい発作日数や Dizziness Handicap Inventory の合計点数はいずれも治療前と比べて有意に減少した. 一方, 聴力変動が 10dB 未満の聴力不変例が80%近くを占めていた. 中耳加圧療法は難治例のめまいに対しては有効であることが明らかとなった.</p>

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