人工股関節全置換術後にアルカプトン尿症と診断し得た1例

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抄録

<p>【はじめに】人工股関節全置換術(以下THA)を契機にアルカプトン尿症と診断し得た1例を経験したので報告する.【症例】57歳男性.30歳代より腰痛が出現し,51歳より他院膠原病内科にて強直性脊椎炎として治療されていた.57歳から左股関節痛が出現し,当院紹介となった.身体所見として両眼球強膜や耳介に黒褐色変化を認め,単純X線像では骨頭圧壊を伴う変形性股関節症を認めた.THAを施行し,術中,骨頭に黒色色素沈着を認め臼蓋,滑膜にも同様の所見を認めた.アルカプトン尿症を疑い尿中ホモゲンチジン酸定量検査により確定診断に至った.術後,経過良好でフォローアップ中である.【考察】中高年のアルカプトン尿症は関節症状を主訴に病院受診し,関節症を契機として診断に至ることが多い.また,心・腎血管の石灰化により誘発される全身合併症の評価が重要である.多関節症の診察時には本疾患を鑑別に挙げ,他診療科と連携し治療戦略を立てる必要がある.</p>

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