エレクトロスプレーイオン化−イオンモビリティスペクトロメトリー−質量分析法によるスチレン/アクリル酸<i>n</i>-ブチル共重合体の解析

  • 尾関 優香
    名古屋工業大学大学院工学研究科生命・応用化学専攻
  • 北川 慎也
    名古屋工業大学大学院工学研究科生命・応用化学専攻
  • 大谷 肇
    名古屋工業大学大学院工学研究科生命・応用化学専攻
  • 近藤 洋輔
    三菱ケミカル株式会社分析物性研究所
  • 品田 弘子
    三菱ケミカル株式会社分析物性研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Characterization of Styrene/<i>n</i>-Butyl Acrylate Copolymer by Electrospray Ionization-Ion Mobility Spectrometry-Mass Spectrometry

抄録

<p>ラジカル重合で合成されたスチレン/アクリル酸n-ブチル共重合体(数平均分子量2700,重量平均分子量6100,多分散度2.3)の解析を2種類の質量分析法を用いて行った.マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS)では,分子量約5000までシグナルが観測され,一方でエレクトロスプレーイオン化─イオンモビリティスペクトロメトリー質量分析法(ESI-IMS-MS)では,IMS分布図から4価として観測された分布にm/z 2200付近までシグナルが観測されたことから,分子量約9000まで観測することができた.ESI-IMS-MSから得られた抽出MSスペクトルをKMDプロットにより解析したところ,再結合停止反応により生成したと推測される両末端開始剤由来の共重合組成を,最大分子量7800まで解析することに成功した.これは,サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって求められた標準ポリスチレン換算分子量分布の約80% に相当し,ESI-IMS-MSの利用が多分散度の高い合成高分子の解析に有効であることを示すことができた.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 71 (10.11), 563-570, 2022-10-05

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (24)*注記

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