国債市場情報を用いた機械学習に基づく経済予測モデルの構築

  • 水門 善之
    東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 野村證券株式会社金融経済研究所経済調査部
  • 和泉 潔
    東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻
  • 坂地 泰紀
    東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Economic Forecasting Model Based on Machine Learning Using Government Bond Market Data

説明

<p>国債のイールドカーブ情報には中央銀行の金融政策の方針が反映されるほか,市場参加者の物価や景気の見通しが織り込まれている.また金利水準自体は各種経済主体にとっての借り入れコストとなることから,先行きの経済活動に影響を与えうる.これらを踏まえ,本研究では,企業や家計などの経済主体による景気に先行的な経済活動をとらえた各種経済統計に加えて,国債イールドカーブの情報を特徴量として用いた,ニューラルネットワークベースの機械学習手法に基づく短期経済予測モデルを構築した.その結果,深層学習手法の一種であり再帰的なネットワーク構造を持つRNN(リカレントニューラルネットワーク)ベースのモデルにおいて,相対的に高い予測精度を確認した.更に,経済統計のみをモデルの特徴量として用いた場合に比べて,イールドカーブの情報も学習に用いた場合に,先行きの経済予測の精度が改善する傾向を確認した.このことは,経済予測において,イールドカーブに織り込まれる情報の有用性を示す結果と考える.</p>

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