COVID19ワクチン投与後に自己免疫性肝炎が顕在化した1例

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タイトル別名
  • A case of autoimmune hepatitis following administration of the COVID19 vaccine
  • COVID19 ワクチン トウヨ ゴ ニ ジコ メンエキセイ カンエン ガ ケンザイカ シタ 1レイ

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抄録

<p>症例は70代女性.COVID19ワクチン2回目を接種2日後に黄疸が出現し,急性肝障害のため入院となった.各種ウイルスマーカーは陰性,抗核抗体陽性,抗平滑筋抗体陽性,IgG高値であった.肝生検組織では,肝実質に広範な壊死・炎症がみられた.門脈域にも炎症細胞浸潤がみられたが,線維化やinterface hepatitisは明らかでなかった.COVID19ワクチンに対するリンパ球刺激試験が陽性であり,当初は自己免疫機序の関与が示唆された薬物性肝障害と診断した.しかし,肝庇護療法では肝機能検査異常は改善せず,副腎皮質ステロイド投与を開始し改善した.改善後の肝生検ではロゼット形成,interface hepatitisや形質細胞浸潤が確認され,COVID19ワクチンに誘発された自己免疫性肝炎(AIH)と診断した.COVID19ワクチン投与後に発症したAIHの症例は極めてまれであり報告する.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 63 (11), 491-499, 2022-11-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (40)*注記

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