足関節背屈角度の変化がしゃがみ込み動作時の重心位置に及ぼす影響

  • 宮﨑 登美子
    高知リハビリテーション専門職大学 理学療法学専攻
  • 柏 智之
    高知リハビリテーション専門職大学 理学療法学専攻
  • 稲岡 忠勝
    高知リハビリテーション専門職大学 理学療法学専攻
  • 山﨑 裕司
    高知リハビリテーション専門職大学 理学療法学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of change in dorsiflexion angle of ankle joint on center of gravity position during crouching motion

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抄録

本研究では,足関節背屈角度の改善を目的としたストレッチが,しゃがみ込み動作中の前後重心位置に与え る影響について検討した. 対象は,しゃがみ込み動作が可能な健常成人15名.重心動揺検査によって,しゃがみ込み動作中の前後平均重心位置を計測した.検査後,しゃがみ込み動作の困難性をNumerical Rating Scaleを用いて聴取し,両側の他動的背屈角度を測定した.左右のヒラメ筋に対する静的ストレッチを30秒間 2 セット実施した.再度,しゃがみ込み動作中の前後平均重心位置としゃがみ込み動作の困難性,両側の他動的背屈角度を調査した.ストレッチによって背屈角度は,43.1±5.8度から,44.6±5.9度へ有意に増大した(p<0.01).同様に,しゃがみ込み動作時の前後重心位置は,ストレッチ前-1.9±2.9cmから,ストレッチ後-0.5±3.2cmへ有意に前方移動した(p<0.01).しゃがみ込み動作の困難性は,ストレッチ前 9(1)から,ストレッチ後 5(4)に有意に低下した(p<0.01).背屈角度の変化量と前後重心位置の変化量の間には,r=0.590の有意な相関を認めた(p<0.05).以上のことから,背屈角度の増大によってしゃがみ込み動作時の後方重心偏位は改善させられるものと考え られた.

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