直視型ラジアル式超音波内視鏡を用いた上部消化管および膵の同時観察

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  • Simultaneous observation of the upper gastrointestinal tract and pancreas with direct forward viewing radial endoscopic ultrasonography

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抄録

<p>膵癌は予後不良な難治癌であり, その罹患数および死亡数は増加の一途をたどっている。予後改善のためには, 膵癌の中でも予後が比較的良好である1cm以下の病変を見つけることが重要である。多くのモダリティの中で, 超音波内視鏡検査(EUS)は小膵癌の検出において他のモダリティと比較し, 有意に優れているといえる。効率的に膵癌を早期発見するためには, 病診連携を活用し, 膵癌高リスク群に対しクリニックで積極的に腹部超音波検査を用いて嚢胞や膵管拡張などの間接所見を発見し, 高次病院にてEUSを積極的に行うことが重要である。しかし, 現状ではEUSは一般臨床に未だ十分に普及しているとは言えず, 膵癌の早期発見のためにはEUSの更なる普及が望まれる。直視型ラジアル式EUSは上部消化管と胆膵領域の同時検査が可能というコンセプトをもとに開発されたスコープである。従来の前方斜視型ラジアル式EUSスコープと比較し, 低侵襲性, 高操作性を兼ね備え, 膵癌スクリーニングに理想的な内視鏡といえる。直視型ラジアル式EUSは今後のEUS普及の起爆剤としてだけではなく, 胃癌・膵癌同時スクリーニングという将来の癌予防医学にパラダイムシフトをもたらす可能性を秘めている。</p>

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