陸上自衛隊員の歯科受診歴が訓練期間中の歯科保健行動に与える影響

  • 廣島屋 貴俊
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科発生発達成育学講座予防歯科学分野
  • 山下 浩司
    医療法人博友会 ほうせんかデンタルクリニック
  • 於保 孝彦
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科発生発達成育学講座予防歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Dental Visits on Dental Health Behavior of Ground Self-Defense Force Personnel during the Training Period
  • リクジョウ ジエイ タイイン ノ シカ ジュシンレキ ガ クンレン キカンチュウ ノ シカ ホケン コウドウ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

<p> 自衛隊員は訓練期間中に口腔内環境が悪化しやすいため,適切な歯科保健行動による歯科疾患の予防が望まれる.これまでに自衛隊員の訓練期間中の歯科保健行動に影響を与える要因については明らかにされていない.本研究は陸上自衛隊員を対象としてアンケートおよび歯科健診を実施し,訓練期間中の歯科保健行動に影響を与える因子について検討した.平成26年にA駐屯地で歯科健診を受診した男性隊員658名を調査対象とした(平均年齢=35.2±9.4歳).健診時に得られた地域歯周疾患歯数(Community Periodontal Index)を用いて評価された歯周状態と歯科保健行動に関するアンケートを解析した.対象者の歯科保健行動を過去1年間の歯科受診歴で比較した結果,歯科受診歴あり群は歯科受診歴なし群と比較して訓練期間中の「歯ブラシの使用頻度」および「歯磨剤の使用頻度」が有意に高かった(p<0.01).その後,歯科保健行動を歯周疾患の総合的診断プログラム(FSPD34型)に該当する尺度に当てはめパス解析を行った結果,「歯科受診行動」と非訓練期間中および訓練期間中の「歯口清掃行動」との間に有意な関連を認めた.また,非訓練期間中および訓練期間中の「歯口清掃行動」は有意に相関していた(非標準化係数=0.38,p<0.01).本研究結果から,陸上自衛隊員における訓練期間中の歯科保健行動に「過去1年間の歯科受診歴」が関連している可能性が示唆された.</p>

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