右側頭葉の脳梗塞の再発により社会的行動障害が出現した両側側頭葉損傷の 1 例

DOI Web Site 参考文献23件 オープンアクセス
  • 有川 瑛人
    医療法人玉昌会 加治木温泉病院 総合リハビリテーションセンター
  • 窪田 正大
    鹿児島大学大学院保健学研究科
  • 原口 友子
    医療法人玉昌会 加治木温泉病院 総合リハビリテーションセンター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Bilateral Temporal Lobe Injury that Gave Rise to Aberrant Social Behavior after Recurrence of Cerebral Infarction in the Right Temporal Lobe

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説明

<p>  両側の側頭葉損傷後に社会的行動障害を呈した症例を報告した。症例は, 70 歳代の右利き男性である。約 10 年前に脳梗塞を発症し, ウェルニッケ失語を呈していた。右側頭葉皮質の脳梗塞の再発を契機に意思疎通が困難なことが多くなり, コミュニケーション上のトラブルが多発し, 周囲に対して懐疑的かつ攻撃的で, 脱抑制的な行動を認めるようになった。聴覚的理解検査の結果, 語音弁別能力の明らかな増悪や聴覚失認は認めなかったが, プロソディの理解障害が疑われ, これが意思疎通が困難になった要因と考えられた。また本症例の社会的行動障害の特徴は, 前頭側頭型認知症の行動特性と類似性があり, 両側側頭葉の局在性病変であっても社会的行動障害が出現する可能性を示した。一方でその特徴は, 前頭葉の限局損傷による社会的行動障害とは質的に異なり, 両側側頭葉損傷に特異的である可能性が示された。 </p>

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参考文献 (23)*注記

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