COVID-19の流行下における生活様式の変化と食品群・栄養素摂取 ―在宅勤務による影響に着目して―

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タイトル別名
  • Changes in Lifestyle and Food Group/Nutrient Intake During the COVID-19 Pandemic: Effects of Working From Home
  • COVID-19 ノ リュウコウ カ ニ オケル セイカツ ヨウシキ ノ ヘンカ ト ショクヒングン ・ エイヨウソ セッシュ : ザイタク キンム ニ ヨル エイキョウ ニ チャクモク シテ

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抄録

2020年初頭に発生したCOVID-19により,私たちの生活は一変した。感染拡大を防止するために人々の行動は制限され,2020年4-5月の第1回緊急事態宣言下では,接客を伴う飲食店など「多数の者が利用する施設」の使用制限や停止が要請・指示され,また出勤における在宅勤務や時差出勤の強力な推進等がなされた。本研究の目的は,こうした在宅勤務を始めとするCOVID-19流行下での生活様式の変化が,消費者の食生活の変化へ及ぼす影響を分析することにある。 本研究で用いたデータは,Webアンケート調査で収集した。調査対象は,東京23区と全国の政令指定都市の20-60代である。調査は2回行い,1回目は2020年5月の緊急事態宣言の解除直後(第1期),2回目は2020年11月(第2期)に実施した。すなわち,緊急事態宣言下の行動制限で多くの人が在宅生活を行った第1期と,宣言解除から半年が経過し,比較的行動範囲の拡がった第2期の食生活を比較し,また階差Seemingly Unrelated Regressionで,食生活の変化の背景にある要因まで分析した。 推定結果では,例えば,在宅勤務日数が食材宅配の利用頻度の増加に繋がる点や,卵類摂取量や炭水化物%Eに正の,アルコール摂取量へ負の影響を及ぼすことを明らかにした。また,緊急事態宣言下で利用が増加した生鮮品店の利用が,野菜類や魚介類,たんぱく質,食物繊維の摂取増という健康上望ましい食生活に繋がる一方,嗜好飲料類や食塩相当量といった不健康な食材の摂取増にも繋がる点も確認した。

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