黒海・日本海酒田沖のメタン冷湧水成炭酸塩のリチウム同位体組成
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- 宮嶋 佑典
- 産業技術総合研究所
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- 荒岡 大輔
- 産業技術総合研究所
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- 吉村 寿紘
- 海洋研究開発機構
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- 太田 雄貴
- 産業技術総合研究所
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- 鈴木 淳
- 産業技術総合研究所
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- 吉岡 秀佳
- 産業技術総合研究所
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- 鈴村 昌弘
- 産業技術総合研究所
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- Daniel Smrzka
- ブレーメン大学
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- Jörn Peckmann
- ハンブルク大学
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- Gerhard Bohrmann
- ブレーメン大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Lithium isotope ratios in methane-seep carbonates from the Black Sea and the Japan Sea
抄録
<p>リチウム(Li)の安定同位体比は、低温下での岩石と水の反応過程で大きな同位体分別を示すため、堆積物間隙水(湧水、熱水)の起源を推定するのに有用である。冷湧水から沈殿する炭酸塩のLi同位体比を用いれば、過去の湧水の起源を解明できる可能性がある。本研究では、黒海および日本海酒田沖のメタン冷湧水で採取された炭酸塩のLi同位体比を測定した。その結果、炭酸塩のLi同位体比とLi/Ca比は、炭酸塩成分と粘土成分の混合、および炭酸塩の鉱物組成によって支配されていることがわかった。Al/Ca比をもとに粘土成分の混合率を見積もり、炭酸塩成分のLi同位体比とLi/Ca比を求めた。炭酸塩成分の組成と水–炭酸塩の同位体分別係数、分配係数を用いて元の流体の組成を推定した結果、海水に近い組成の流体と、軽いLi同位体に富みLi/Ca比の高い流体の混合が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本地球化学会年会要旨集
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日本地球化学会年会要旨集 69 (0), 108-, 2022
一般社団法人日本地球化学会