黒海・日本海酒田沖のメタン冷湧水成炭酸塩のリチウム同位体組成

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  • Lithium isotope ratios in methane-seep carbonates from the Black Sea and the Japan Sea

抄録

<p>リチウム(Li)の安定同位体比は、低温下での岩石と水の反応過程で大きな同位体分別を示すため、堆積物間隙水(湧水、熱水)の起源を推定するのに有用である。冷湧水から沈殿する炭酸塩のLi同位体比を用いれば、過去の湧水の起源を解明できる可能性がある。本研究では、黒海および日本海酒田沖のメタン冷湧水で採取された炭酸塩のLi同位体比を測定した。その結果、炭酸塩のLi同位体比とLi/Ca比は、炭酸塩成分と粘土成分の混合、および炭酸塩の鉱物組成によって支配されていることがわかった。Al/Ca比をもとに粘土成分の混合率を見積もり、炭酸塩成分のLi同位体比とLi/Ca比を求めた。炭酸塩成分の組成と水–炭酸塩の同位体分別係数、分配係数を用いて元の流体の組成を推定した結果、海水に近い組成の流体と、軽いLi同位体に富みLi/Ca比の高い流体の混合が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390294276466708480
  • DOI
    10.14862/geochemproc.69.0_108
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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