Heater-Cooler Unit (HCU)の細菌汚染状況に関する調査

DOI
  • 境谷 亘矢
    北海道科学大学 大学院 保健医療学研究科 医療技術学専攻 公益社団法人 北海道勤労者医療協会 勤医協中央病院 臨床工学部
  • 中村 実
    北海道科学大学 保健医療学部 臨床工学科
  • 古谷 大輔
    北海道科学大学 保健医療学部 臨床工学科
  • 菅原 俊継
    北海道科学大学 保健医療学部 臨床工学科
  • 印藤 智一
    北海道科学大学 保健医療学部 臨床工学科

抄録

<p>【目的】2015年, ヨーロッパでHeater-Cooler Unit(HCU;冷温水槽)の汚染が原因の非結核性抗酸菌症が報告され,手術室における水回路を備える装置の衛生管理が推奨されている.しかし,ガイドラインがなく,その衛生管理については各施設の方法に委ねられているのが現状である.そこで本報告では,HCUの適切な衛生管理方法の選定を目的として,まず始めに臨床現場で使用しているHCUの細菌汚染状況を調査した.【対象および方法】(1)市内総合病院の臨床現場で使用しているHCUの循環水を対象とし,36℃で24時間バイパス循環させた後,装置水槽内より採取した.(2)500mLの循環水をフイルター濾過濃縮法で濃縮後,一般細菌,レジオネラ属菌および非結核性抗酸菌の検出を試みた.【結果および考察】一般細菌と非結核性抗酸菌が検出されレジオネラ属菌は検出されなかった.一般細菌はブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌であり100CFU/mL 以上であった.非結核性抗酸菌は0.004CFU/mLであった.臨床現場で使用していることから,高濃度の一般細菌や非結核性抗酸菌が検出されないように,衛生管理をする必要があると考えられた. 【結語】HCUの細菌汚染状況を調べ,ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌と非結核性抗酸菌が存在していることを明らかにした.衛生管理が不適切な場合には,顕在的な感染源になり得る可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 200_1-200_1, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390294276475910272
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.200_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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