書誌事項
- タイトル別名
-
- The roll of endoscopy for the differentiating between distal bile duct cancer and pancreatic cancer
この論文をさがす
説明
<p>遠位胆管癌と膵頭部癌は同じような部位に腫瘍が存在し,どちらも閉塞性黄疸,肝機能障害,急性胆管炎などの症状を呈する.手術可能な症例は膵頭十二指腸切除術となるが,原発部位によって診断方法,腫瘍の進展度診断法,治療方針,術前のドレナージなどの方針が大きく異なる.すなわち,膵頭部癌であれば組織学的診断はEUS-FNAにて行われるが,胆管癌であれば肝門側への進展を考慮しつつ,ERCPによる経乳頭的な生検が行われる.また治療方針は,切除例においては膵癌は手術前に抗癌剤などによる術前治療が行われているが,胆管癌では術前治療は行わず切除が一般的である.術前のドレナージも術前補助療法(neoadjuvant therapy;NAT)施行の有無によりステントの選択が異なる.このように方針が大きく異なるため,正確な診断が求められる.</p>
収録刊行物
-
- 日本消化器病学会雑誌
-
日本消化器病学会雑誌 119 (12), 1061-1068, 2022-12-10
一般財団法人 日本消化器病学会