ナスに含まれるアントシアニン : アントシアニンの含有量が一番多いナスは何か

書誌事項

タイトル別名
  • What Kind of Eggplant Have the Highest Anthocyanin content?

説明

本研究の問いは「アントシアニンの含有量が一番多いナスは何か」である。ナスは多くの子供に嫌われている野菜である。しかし、ナスに含まれるアントシアニン色素であるナスニンには強い抗酸化作用があり、がんや生活習慣病といった病気を予防する効果がある。ほかにもナスニンには多くの機能性があると認められている。このことから、ナスニンの持つ栄養分をナスが嫌いな子供でも得ることができるようにしたいと考えた。ナスニンが多く含まれているナスを見つけることで、ナスが嫌いな子供が食べるナスの量を少なくし、同時にナスニンの栄養分も効率よく得ることができる。よって本研究では「アントシアニンの含有量が一番多いナスは何か」という問いを立て、この問いに関する調査を行った。ナスニンの量を比較する際にはナス果皮からナスニンを抽出し、抽出した液体の525nmでの吸光度を分光光度計で測定し、その吸光度の値が大きいほどナスニン含有量が多いという仮説を立てた。抽出溶媒にはエタノールや酢酸、ギ酸を用いた。しかし、エタノールと酢酸の実験ではナスニンをうまく抽出することができなかった。これは抽出溶媒が原因ではなく、果皮に果実がたくさんついていたので果実からナスニンではない別の色素が抽出されたことが原因だと考えられた。また、異なる品種のナスを比較する前に、個体差での違いや同じ個体でも部位の差による違いの調査も行ったが個体差や部位による差はないことがわかった。異なる品種のナスを比較した結果として、ギ酸を用いた実験から、中長ナス、長ナス、米ナスの525nm における吸光度はそれぞれ0.372 、0.242、0.084 であった。このことから、ナスニンは中長ナスに一番多く含まれていた。また、写真分析アプリをもちいてナスの見かけの紫色の濃淡を調査した。写真分析アプリで行った比較では米ナスのほうが長ナスよりもRGB 値が小さくなっていた。RGB 値は小さいほど黒に近づく、つまり彩度が小さくなることから、米ナスのほうが黒っぽく、長ナスのほうが紫色は濃いということが分かった。そして、長ナスと米ナスのナスニン含有量は長ナスのほうが多いことから、見かけの紫色が濃いほうがナスニンの含有量が多いとわかった。以上から、中長ナス、長ナス、米ナスのなかで一番ナスニン含有量が多いナスは中長ナスであると結論づけた。ナスニン含有量の多さはナスの紫色の濃さと比例していて、ナスニン含有量の多いナスを選択して購入することもできるということが分かった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390294485109237504
  • DOI
    10.24546/0100477729
  • HANDLE
    20.500.14094/0100477729
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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