スポーツをめぐる「沖縄らしさ」に関する探索的研究

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  • 沖縄地方紙の計量テキスト分析

抄録

<p>本研究は、沖縄地方紙のスポーツ報道において「沖縄らしさ」「沖縄らしい」という語がどのように用いられていのるかについて分析を行い、沖縄のスポーツをめぐる「沖縄らしさ」の言説に関する研究視点を検討することを目的とする。</p><p> 沖縄という地域は、「南国・楽園」「おおらか・健康的」など、独特なエスニック・イメージ、「らしさ」の形成によって、「日本」と差異化されているといえる。沖縄のイメージは、特に日本復帰後の観光立県戦略によって構築され、2000年代以降、NHK連続テレビ小説をはじめとするメディアの影響と沖縄ブームの生成によって定着してきたとされる。スポーツに関しても、特定の振る舞いやプレーが「沖縄らしい」と意味づけられる様相が散見される。しかしながら、スポーツをめぐる「沖縄らしさ」の意味について具体的に検討した研究はあまりみられない。</p><p> そこで本研究では、沖縄のイメージが定着したと指摘される2000年代以降の沖縄地方2大紙「沖縄タイムス」「琉球新報」によるスポーツ報道から、「沖縄らしさ」「沖縄らしい」という語を含む記事217本を抽出して計量テキスト分析を行った。抽出された記事中に特に頻出していた語は「大会」「選手」「チーム」「全国」「出場」などであった。スポーツに関する「沖縄らしさ」の語は、全国レベルの大会に出場する選手やチームの報道において多く出現しているものと推察される。競技別にみると、バスケットボール、ハンドボール、空手、野球、ダンス・舞踊などの記事が多い傾向にあった。また、「沖縄らしい」という語の出現パターンは、特に「ゴール型競技のプレースタイル」「ダンス・舞踊、空手などの表現・形」などに強く関連していることが示唆された。</p><p> 以上の傾向を踏まえ、各競技に関する「沖縄らしさ」の詳細な意味内容や、その生成・再生産に関するダイナミズムを検討していくことは、今後の課題である。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390294507109760896
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.72.0_200
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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