プロテニスプレイヤーにおけるダブルスへのキャリア選択の可能性
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- 坂井 利彰
- 慶應義塾大学
抄録
<p>プロテニス選手にとって、シングルスプレイヤーとなるのか、ダブルスプレイヤーとなるのか、またはシングルスとダブルスを両立していくのかは、キャリアを構築するうえで重要な選択である。筆者はこれまでの研究で、20歳の時点で男子シングルス世界ランキングが100位にランクインしているか否かで、選手は早熟型と晩成型に分けられ、晩成型は早熟型のランキングを生涯にわたり超えられないというプロテニス界の構造を明らかにしてきた。すなわち、20歳の時点で100位にランクインしなかった晩成型選手はシングルスプレイヤーとして100位ランクインを目指すのか、ダブルスプレイヤーとしてより上位のランキングを目指すのかを選択することとなる。現状ではダブルスに専念する選手は少数派である。そこで、シングルスプレイヤーとしての限界や、ダブルスプレイヤーに転向することで得られる可能性を計量的に提示することで、キャリアに悩む晩成型選手をサポートすることが本研究の目的である。1,470名のプロテニス選手を対象として、全出場試合のうちダブルスの占める割合が生涯獲得賞金や最高ランキングにいかなる影響を及ぼしているかを求めた。その結果、早熟型選手はシングルスに注力することで生涯獲得賞金やランキングが上昇するが、晩成型選手は早い段階でダブルスプレイヤーに転向することが生涯獲得賞金の上昇に有効であることが明らかになった。</p>
収録刊行物
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- 日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
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日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 72 (0), 343-, 2022
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390294507109840512
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- ISSN
- 24367257
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可