サッカーの位置情報把握における選手目線画像と空撮画像との比較

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抄録

<p>近年、ドローンでの空撮映像の使用がサッカーなどの屋外の競技を中心に増加している。サッカーの分析では位置情報を正確に把握することが重要であり、俯瞰的に撮影できるドローンの映像は位置情報の把握に有用であると考えられる。そこで本研究は、サッカーの攻撃場面をモデル化し、選手目線に近いグラウンドレベルで撮影した映像とドローンでの空撮による俯瞰的な映像とでは、どちらの方が選手の位置情報把握に有用か検討することを目的とした。</p><p> 被験者はサッカー経験年数が5年以上の10名であった。攻撃選手4人、守備選手3人によるサッカーの攻撃場面をモデル化した試技を実施した。試技は横40 ⅿ、縦20 mのコート上で実施された。試技中、地面に三脚を設置しての撮影(選手視点)とドローンで撮影(俯瞰視点)の2つの方法で撮影した。選手視点での撮影は、コートの右サイドからコート全体が映るように実施された。それぞれの映像から任意で同じタイミングの場面を5場面選定し、それぞれの視点5枚、計10枚の静止画像が作成された。被験者には10枚の静止画像をランダムに提示して、A4版のコートが書かれた紙に(以下、コートの縮図)、選手7人の位置を記録させた。俯瞰視点画像より2次元DLT法を用いて選手7人の位置情報を算出し基準値とした。さらに、コートの縮図に記録された選手の位置情報を実際の距離に換算し基準値と比較した。</p><p> 選手視点静止画像と俯瞰視点静止画像それぞれから記録した位置情報は、基準値と比較した場合俯瞰視点静止画像の方が位置情報の誤差が小さい結果であった。この結果から、俯瞰視点で撮影した映像の方が選手視点で撮影した映像よりも正確に選手の位置を把握できることが明らかとなり、特にフォーメーションの確認などの正確な位置情報が必要となる場合は空撮の映像がゲーム分析には有用であることが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390294507109893376
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.72.0_337
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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