水痘帯状疱疹ウイルスもしくは単純ヘルペスウイルスの再活性化によると考えられた混合性喉頭麻痺症例の検討

  • 鈴政 俊
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 犬塚 義亮
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 冨藤 雅之
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 武蔵境耳鼻咽喉科
  • 荒木 幸仁
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 瀬越 健太
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 犬塚 絵理
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 瀧端 早紀
    西埼玉中央病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 宇野 光祐
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 水足 邦雄
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 塩谷 彰浩
    防衛医科大学校病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Retrospective Study of Associated Laryngeal Paralysis Thought to Be Due to Reactivation of Varicella Zoster Virus or Herpes Simplex Virus
  • スイトウ タイジョウホウシンウイルス モシクワ タンジュンヘルペスウイルス ノ サイカッセイカ ニ ヨル ト カンガエラレタ コンゴウセイ コウトウ マヒ ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

<p>喉頭麻痺に他の脳神経障害を合併した病態は混合性喉頭麻痺と呼ばれ,中でもウイルス感染を契機に発症したものは,発症初期での診断に苦慮することが多い。今回われわれは2013年11月から2019年10月の6年間に水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)もしくは単純ヘルペスウイルス(HSV)の再活性化によると考えられた混合性喉頭麻痺6症例の検討を行った。臨床症状は嚥下障害を全例に認め,顔面神経麻痺は5例,カーテン徴候は3例,難聴等の内耳症状は4例に認めた。1例は臨床的にHunt症候群と,4例がVZVの再活性化によるウイルス性,1例は特発性,もしくはHSVの再活性化によるウイルス性と診断された。治療はステロイドと抗ウイルス薬により行われた。喉頭麻痺は6例中5例で改善を認め,1例で不変であった。嚥下障害,顔面神経麻痺と難聴は全例で改善を認めた。Hunt症候群に特徴的な皮疹,顔面神経麻痺,内耳神経麻痺の3徴のいずれかを欠いたウイルス性混合性喉頭麻痺は早期確定診断が困難である一方,喉頭麻痺は他の脳神経麻痺と比較して改善率が低い。VZVもしくはHSVの再活性化によると考えられる混合性喉頭麻痺に対しては早期治療介入を追求し,喉頭麻痺の改善率向上を目指すことが望まれる。</p>

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参考文献 (11)*注記

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