インフォーマル経済に対する人道的な規制と再周辺化――モロッコ・スペイン領セウタ間の「密輸」の事例から――

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タイトル別名
  • Effects of Humanitarian Regulation on the Informal Economy and Remarginalization: Cross-border Smuggling between Morocco and the Spanish Enclave Ceuta

抄録

<p>インフォーマル経済は多くの国ぐにで,当局から黙認あるいは容認されながら行われてきた。一方,それとは異なるあり方も存在している。本稿では,当局がインフォーマル経済に対して人道的観点から規制を行うことが,従事者にどのような影響を与えるかについて,スペイン領セウタとモロッコの国境地帯で行われていた「密輸」の事例をもとに考察する。「密輸」は,関税を支払わずにセウタからモロッコに商品を持ち込むものであるが,当局が事実上管理し,従事者の労働環境の改善を目指した規制を行ってきた。このような規制が従事者に及ぼす影響を,越境者やジェンダーの視点も取り入れながら論じる。本稿は,人道的観点からなされた規制が従事者の収入を減らし,従事者をより周辺的な経済活動に追いやるという再周辺化を引き起こしたことを明らかにした。そのような再周辺化の深刻度は,越境者や女性といった脆弱な属性をもつことにより増していた。</p>

収録刊行物

  • アジア経済

    アジア経済 63 (4), 33-60, 2022-12-15

    独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390294562485396352
  • DOI
    10.24765/ajiakeizai.63.4_33
  • ISSN
    24340537
    00022942
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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