入院時の胸部CT検査で化学性肺臓炎の所見がなかった塩素ガス中毒による心肺停止の1例

DOI
  • 堀江 勝博
    聖路加国際病院 救急部・救命救急センター
  • 一二三 亨
    聖路加国際病院 救急部・救命救急センター
  • 関森 淳
    聖路加国際病院 救急部・救命救急センター
  • 白崎 加純
    聖路加国際病院 救急部・救命救急センター
  • 辛 紀宗
    聖路加国際病院 救急部・救命救急センター
  • 大谷 典生
    聖路加国際病院 救急部・救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • A case of cardiopulmonary arrest due to chlorine gas poisoning without findings of chemical pneumonia on chest CT on admission

この論文をさがす

抄録

<p>うつ病の既往のある30歳代の男性。来院当日, 自宅の浴室内を目張りし, サンポールとハイターを混ぜて塩素ガスを発生させ, 救急要請した。救急隊接触時, 心肺停止状態であり聖路加国際病院に搬送された。覚知から約40分で自己心拍が再開し, 同日36℃で体温管理療法を行う目的で集中治療室に入院した。入院時尿中薬物スクリーニング検査ではバルビツールが陽性であった。入院時の胸部単純CT検査では塩素ガスに特徴的な肺炎像は認めなかったが, 頭部単純CT検査にて皮髄境界不明瞭で, 低酸素脳症を示唆する所見であった。入院5日後, 酸素化が悪化したため胸部単純CTを撮像し, 塩素ガスによる化学性肺臓炎が出現した。家族に病状説明を行い, best supportive careの方針となり, 入院16日目に死亡した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ