トルバプタン不応の難治性腹水に対する腹腔-静脈シャント(デンバーシャント)の有用性

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タイトル別名
  • Usefulness of peritoneo-venous shunt (denver shunt) for tolvaptan-resistant refractory ascites in patients with cirrhosis
  • トルバプタン フオウ ノ ナンチセイ フクスイ ニ タイスル フクコウ-ジョウミャク シャント(デンバーシャント)ノ ユウヨウセイ

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抄録

<p>デンバーシャント術は難治性腹水症に対して行われる腹腔-静脈シャント術である.2014~2018年にデンバーシャント術を施行した7例を対象とし,非代償性肝硬変に伴うトルバプタン不応腹水への有効性と安全性を検討した.</p><p>奏効の内訳は,(1)腹満感など自覚症状の改善:57%,(2)体重・画像など他覚的所見の改善:71%,(3)治療内容の改善:腹水穿刺の中止29%,利尿薬減量71%であった.総合評価からデンバーシャント術の奏効率は86%であった.術後合併症は,播種性血管内凝固症候群(n=3),創部哆開(n=1),特発性細菌性腹膜炎(n=1),肝性脳症(n=1),右心不全(n=1)を認め,保存的治療で軽快した.腹水コントロール不良で基礎疾患の病勢進行により術後30日目に永眠した症例が1例いた.</p><p>デンバーシャント術は非代償性肝硬変症に伴うトルバプタン不応の難治性腹水に対して施行可能で有効な治療法と考える.</p>

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