乳腺分泌癌の穿刺吸引細胞診の 1 例

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  • Findings of fine-needle aspiration cytology in a case of mammary secretory carcinoma

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抄録

<p>背景:乳腺分泌癌は特殊型乳癌に分類されており,全乳癌の 0.1%以下を占めるにすぎないきわめてまれな悪性腫瘍である.ここでは,乳腺分泌癌の穿刺吸引細胞診の 1 例を提示する.</p><p>症例:60 歳代,女性で右胸部痛を主訴として来院した.穿刺吸引細胞診では,背景に上皮性の粘液と思われる赤紫色の物質とライトグリーン好性で脂肪滴を含む物質を認めた.細胞量は豊富であり,小集塊状から散在性を示す二相性の欠如した小型多角形細胞が血管とともに出現していた.一部の細胞間や細胞質内には球状の粘液様物質を入れた粘液小球状構造(mucous globular structure:MGS)が観察された.細胞質は広く顆粒状でときに大小の空胞をもち,核の異型は軽度であった.</p><p>結論:乳腺分泌癌と他の腫瘍との鑑別は,細胞外の物質の有無やその性状および細胞配列の所見が最も有用であると考えられた.</p>

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