液状化検体細胞診で腺癌成分と扁平上皮癌成分を確認しえた膵腺扁平上皮癌の 1 切除例

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  • A resected case of pancreatic adenosquamous carcinoma in which both adenocarcinoma and squamous cell carcinoma components were confirmed by liquid-based cytology

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<p>背景:膵原発腺扁平上皮癌(PASC)は,腺癌(AC)成分と扁平上皮癌(SCC)成分が混在する悪性腫瘍である.両成分は細胞診断で同時にみられることが少ないため,組織型推定に苦慮する.今回われわれは,液状化検体細胞診(LBC)で AC 成分と SCC 成分を確認しえた PASC を経験したので報告する.</p><p>症例:60 歳代,男性.患者は食道癌の化学放射線療法中に,膵頭部腫瘤を指摘され,超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)が施行された.圧挫標本において異常角化と多稜形細胞質を有する異型細胞が出現していた.一方,LBC では SCC 成分とともに AC 成分が確認された.SCC 成分は免疫細胞化学で p40 陽性を示し,PASC を推定した.摘出された病理組織において,腫瘍は明瞭な腺腔形成を示す AC 成分と大小不規則な胞巣状増殖を示す SCC 成分から構成されており,PASC と診断した.</p><p>結論:AC 成分と SCC 成分の細胞学的特徴を把握することは,PASC の組織型推定に重要である.また,細胞回収に優れた LBC の併用は EUS-FNA の診断に役立ち,免疫細胞化学は非角化型 SCC 成分の確認に有効である.</p>

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