天然物創薬における生物活性スクリーニングと非標的メタボロミクスの融合

この論文をさがす

説明

これまで天然物創薬研究を通じて,パクリタキセルやシクロスポリン,スタチン系薬など今でも医療現場の第一線で活躍する多くの医薬品が見いだされてきた.天然資源は化学的多様性に富んでおり,創薬研究者にとって医薬品シーズを発見するための魅力的な探索源である.しかし従来の天然物創薬の手法では,植物や微生物,海洋生物などの天然資源の収集,菌株や抽出物の作成に始まり,抽出物ライブラリーの活性スクリーニング,生物活性物質の単離および構造決定,創薬研究に必要な大量の化合物を確保する方法の確立など多くの時間と労力を要する.そこで,質量分析(MS)データに加えて生物活性データや分類学的データなどの複数のオミックスデータをリンクして,生物活性物質の探索を行う手法が開発されている.本手法により,サンプルを1つ1つ順番に評価して化合物を単離する従来の方法に比べて,新規生物活性物質探索のスピードと精度の向上が期待されている.本稿では,生物活性データと非標的メタボロミクスデータを統合するプラットフォーム“NP Analyst”を開発した,Leeらの研究を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Lee S. et al., ACS Cent. Sci., 8, 223–234(2022).<br>2) Kurita K. L. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 112, 11999–12004(2015).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 59 (1), 68-68, 2023

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390294643565714432
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.59.1_68
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ