食環境の認知およびヘルスリテラシーと健康日本21(第二次)の食行動の目標との関連

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タイトル別名
  • Relationship between the dietary behavior targets of Health Japan 21 (second term) and perceived food environment and health literacy
  • ショク カンキョウ ノ ニンチ オヨビ ヘルスリテラシー ト ケンコウ ニホン 21(ダイニジ)ノ ショク コウドウ ノ モクヒョウ ト ノ カンレン

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抄録

<p>目的 健康日本21(第二次)の中間評価では,食環境整備と個人の食習慣改善とが必ずしもつながっていない状況が示唆された。そこで,健康日本21(第二次)の目標である2つの食行動(主食・主菜・副菜が揃う頻度と野菜摂取)に関連する食環境の認知およびヘルスリテラシーを検討した。</p><p>方法 2019年3月に調査会社登録モニターの20~64歳を対象にWeb調査を実施した。食環境の認知,ヘルスリテラシー,食行動,社会経済的状況,属性を尋ね,モニター9,667人中2,851人(回収率29.5%)の回答を得た。食環境の認知は6項目(栄養バランスのとれた食事が入手しやすい,日常の買い物に不便がない,栄養バランスのとれた食事が適正な価格で入手できる,営業時間やサービスが利用しやすい,食材料の質に満足している,食の安全面に恵まれている),ヘルスリテラシーは5項目(情報取集,情報選択,情報伝達,情報判断,自己決定)とした。解析対象は社会経済的状況の不明者等を除外し2,111人(男性1,134人,女性977人)とした。2つの食行動を各々従属変数,食環境の認知,ヘルスリテラシーを独立変数,属性,社会経済的状況を調整変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った。</p><p>結果 「主食・主菜・副菜が揃う頻度1日2回以上が毎日」に対し,食環境の認知:食の安全面に恵まれている者(男性)と栄養バランスのとれた食事が適切価格で入手できる者(女性)は,そうでない者に比べ調整オッズ比[95%信頼区間]が1.54[1.19,1.98](男性),1.37[1.02,1.82](女性)であった。ヘルスリテラシー:情報収集得点(男性)は負の,自己決定得点(男性,女性)は正の関連をみとめた。「野菜摂取皿数が1日3皿以上」に対し,食環境の認知:栄養バランスのとれた食事が入手しやすい者(男性)と日常の買い物に不便がない者(女性)は,そうでない者に比べ調整オッズ比[95%信頼区間]が1.54[1.15,2.06](男性),1.55[1.12,2.15](女性)であった。ヘルスリテラシー:情報伝達得点(男性),自己決定得点(女性)は正の関連をみとめた。</p><p>結論 主食・主菜・副菜が揃う頻度と野菜摂取の改善には,情報収集段階に留まらず自己決定など,より高いレベルのヘルスリテラシーの獲得と食環境整備の充実を両輪で推進する必要性が示唆された。</p>

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